成功を祈るぞ、ミリ!
チャンピオン二人の予選は終わりました。他のレーサーたちはこれからです・・・
ポールポジションはイエーガー、続いてホスです・・・今年もチャンピオンシップはこの二人の競いとなるのでしょうか?
私の予想では、フェルナンデスも加わるかもしれませんね・・・
もっと飛ばせ、ミリ・・・速く!
無理よ・・・これ以上加速したら、コントロールを失ってしまうわ!
前半のG-リップルズはずいぶん遅かったようです。
まあ、これがミリのペースなら、ホスもイエーガーもまったく恐れることはありません!
もっと飛ばせって言ってるだろ・・・これでは5位以下にしかなれない!
全力でやってるわよ、マシンの具合がよくないのよ!
言い訳はなしだ!勝ちたいんだろ?だったら勝てるように走れ!
ちくしょう・・・
「なによ・・・」
しかし、フェルナンデスのペースが変わったようです。後半ではホスやイエーガーよりも冴えているようです。
やっぱり!
「こうなると、終わりまで誰が勝つかわかりませんね。」
スピードを落とせ。リアホイールが不安定になっている。
そうじゃなくて。最後のカーブだけだ。そのあとは全力でゴールへ向かえ!
タイヤがやばい・・・
「・・・思うようにいかない・・・」
ああ!
フェルナンデスがこんな結果になるとは・・・
ちくしょう・・・
だめだ・・・
「フェルナンデスが歩いてピットへ向かいます。すっかりしょげた様子です。」
「それもそのはずですよ、フランク。ポールポジションのすぐ近くまできていたのですから!」
なんなんだ、いったいこれは!出だしは上々だったのに見事にだい無しにしてくれたもんだ!
でも、加速しろっていったのは、そっちでしょ・・・
加速しろとは言ったが、ガードレールにぶつかれとは言ってないぞ!
ちょっと席をはずしてくれないか?
ミリ・・・
それは数年前のことだった・・・
有望な奴はいないな、ここには。ぱっとしない奴ばかりだ。
初心者ばっかり・・・
野心のない初心者ばかりだ・・・
もう行こうぜ・・・
おい、ちょっと待て・・・こいつは悪くないぞ・・・
誰だ?
おまえももう知っている子だよ。ミリさ、覚えているかい?アルヴァーロ・フェルナンデスの妹さ。
あの子は、なかなかやり手のようだった・・・
そして今。
ミリ、お前のことは気に入っている。俺はずっとお前を気に入っていた。ずいぶん前のことだが、初めてお前をサーキットで見かけたときからな・・・
・・・しかし、このチームに入ってからのお前を気に入っている者は誰もいない。
人付き合いは苦手なのよ・・・
野心というものは、良くも悪くも働くもんだ。トップの座を手に入ると、その反面孤独になる。
実際、野心の強い奴は人からよく思われないのが常だ。野心の強い奴は、人を抜かして上にいくことしか考えないからな。
あたしは・・・
言い訳はよせ。強い野心がなかったら今の俺はない。
しかし、人当たりの問題ではないのだ。トップの座には一人分の場所しかないのだから。他の者だって・・・
皆孤独なものだ・・・わかったか?
はい、わかりました!
よし。それならば、次回のレースでもっと冴えたところを見せてくれ。さもなければ、お前を辞めさせなければいけない。野心のある奴が好きだといっても、勝ってくれない奴はお払い箱だからな!
おい・・・ボスにだいぶ絞られただろ?
あんたには関係ないことよ。
よく聞いとけよ・・・ここ、フォーミュラ・ニューにはたくさんの人がいて、皆それぞれに言い分がある。実のところ、誰が正しいわけでも間違っているわけでもない。各人の言い分は正しいんだ。
だがな、一つだけ忘れてはいけないことがある。サーキットでハンドルを握ったら、自分以外には誰もいない。このことは決して忘れるなよ。

つづく

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